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事例2 2014年~2015年 岐阜県
2014年~2015年、岐阜県H市の産廃処理場における火災発生による保険金請求につき、当社は調査対応を行いました。
令和2年3月30日、岐阜地方裁判所によって「本件保険契約に基づく保険金支払義務を負わない」という判決が下され、その後令和3年1月14日に名古屋高等裁判所によって控訴請求が棄却されました。
本件は、平成26年(2014年)および平成27年(2015年)に岐阜県H市の産業廃棄物中間処理施設の建物・設備等が火災により焼損し、9億円余の保険金の支払いを求めて産業廃棄物中間処理施設業者(以下、原告)が火災保険金請求を申し立てたものでした。
裁判における争点は、「火災が原告代表者の故意により生じたものか否か」が中心となりました。
原告側は、火災が偶発的に発生したと、①自然発火の可能性、②第3者による放火の可能性、③証言の変遷および虚偽証言の否認、④放火の動機無し、を中心に主張を行いましたが、①~④の全てにおいて当社代表を中心としたスタッフによる調査を基にした調査記録および当社代表の証人証言の内容を裁判所は採用し、原告側の主張を否認しました。
当社による調査では、①自然発火の可能性について、火元と考えられたベーラーブロックを排出した企業の処理工程を綿密に確認し、専門家の知見を交えることで、自然発火の可能性については「人為的な放火以外の可能性は相当に低い」との司法の結論に寄与しました。
②放火の可能性についても、施設の警備環境を綿密に調査し、「第三者が本件施設に侵入して放火した可能性も極めて低い」との司法の結論に寄与しました。
また、③証言の変遷および虚偽証言の否認については、適切な面談記録や証言記録により、原告の不自然さを際立たせることとなり、「代表者の第1火災当日の行動に関する供述は非常に不自然であるとともに、(証言が)不合理に変遷しているといわざるを得ない」との司法の結論に寄与しました。
最後に、④放火の動機無しについて、原告の経済環境を適切に調査・把握し、「廃棄物処理施設業の維持存続も不可能となる危険が現に存在していた」との司法の結論に寄与しました。
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